日本でもSpotifyやApple Musicが上陸、普及しはじめた今日このごろ、音楽を聴く上での障壁は著しく低くなりましたが、各アルバムや各曲をじっくりと聴く機会はかなり減ったように思います。それはそれで1つのトレードオフのようにも感じ、仕方ないかなとも思いますが(と言いつつ自分のせいのような気もする)、1年の締めくくりに今年聴いた音楽をまとめておきたいと思います。
まず全体的に簡単にまとめてみると、Last.fmのデータによると今年最も聴いたバンドはMutiny Within、最も聴いたアルバムはMutiny Withinの"Origins"、最も聴いた曲は井口裕香さんの「RE-ILLUSION」でした。前者については後で触れるので、後者を含むアニソンについて(アニソンは以下から外しました)。一番聴いたのが「RE-ILLUSION」というのは自分でも少し意外でしたが、良い曲なのは間違いありません。昨年の後半から本格的にアニメを見るようになり、必然的にアニソンを聴く機会も増えましたが、バリエーションが豊かで良い曲も少なくない印象です。聴いた回数では5位だったWake Up, Girls!の「恋?で愛?で暴君です!」もとても印象的な曲です(過去にも少し書きましたが)。SpotifyやiTunes Storeで済ませることが多いので、今年買ったCDはほぼアニソンでした。
リリース履歴
まずは今年リリースされたアルバムの中で自分がチェックしたものを3ヵ月ごとの括りでざっと羅列してみます。発売日はWikipediaなどを参照しています。
1月〜3月
- Palisades "Palisades"(1月20日発売)
- Firewind "Immortals"(1月20日発売)
- Mutiny Within "Origins"(2月10日発売)
- Born of Osiris "The Eternal Reign"(2月24日発売)
- Disperse "Foreword"(2月24日発売)
- Within the Ruins "Halfway Human"(3月3日発売)
- Our Hollow, Our Home "Hartsick"(3月3日発売)
- Darkest Hour "Godless Prophets & the Migrant Flora"(3月10日発売)
- Desolace "Photosynthesis"(3月17日発売)
- The Raven Age "Darkness WIll Rise"(3月17日発売)
- Fit for an Autopsy "The Great Collapse"(3月17日発売)
- GYZE "Northern Hell Song"(3月29日発売)
- Mastodon "Emperor of Sand"(3月31日発売)
- The Royal "Seven"(3月31日発売)
4月〜6月
- Falling in Reverse "Coming Home"(4月7日発売)
- While She Sleeps "You Are We"(4月21日発売)
- At the Drive-In "In•ter a•li•a"(5月5日発売)
- All But One "Square One"(5月24日発売)
- Miss May I "Shadows Inside"(6月2日発売)
- Life Awaits "Waves"(6月3日発売)
- Rise Against "Wolves"(6月9日発売)
- Silverstein "Dead Reflection"(6月14日発売)
7月〜9月
- Northern Ghost "Happy : Sad : Depresed : Suicidal"(7月7日発売)
- Dayseeker "Dreaming Is Sinking /// Waking Is Rising"(7月14日発売)
- Fallen Captive "Fallen Captive"(7月14日発売)
- Shattered Sun "The Evolution of Anger"(7月21日発売)
- No Limited Spiral "Into the Marinesnow"(7月26日発売)
- Oceans Ate Alaska "Hikari"(7月28日発売)
- Make Them Suffer "Worlds Apart"(7月28日発売)
- Wage War "Deadweight"(8月4日発売)
- Eskimo Callboy "The Scene"(8月25日発売)
- Arch Enemy "Will to Power"(9月8日発売)
- Galneryus "Ultimate Sacrifice"(9月13日発売)
- For Giants "Big Sky"(9月29日発売)
10月〜12月
- August Burns Red "Phantom Anthem"(10月6日発売)
- Thousand Below "The Love You Let Too Close"(10月6日発売)
- coldrain "Fateless"(10月11日発売)
- Trivium "The Sin and the Sentence"(10月20日発売)
- Ne Obliviscaris "Urn"(10月27日発売)
- Asking Alexandria "Asking Alexandria"(12月15日発売)
振り返り
そりゃこんだけリリースされていれば1枚1枚をじっくり聴けないわな・・・という気もします。リストアップするだけで疲れました。いくつかピックアップして振り返ってみたいと思います。
まずはなんといってもMutiny Within。 上述のように、今年最もよく聴いたバンドでありアルバムです。Mutiny Withinは不思議なバンドで、2010年にRoadrunnerからデビューするも翌年には離れ、ボーカルは同年にバンドを離脱。にも関わらず同じボーカルのまま、2013年にはセカンドアルバム、そして今年サードアルバムと、若干間は空きながらも順調にリリースしてきています。細かいことはよくわかりませんが、最も好きなバンドの1つなので少しでも長く続いてくれたら嬉しい限りです。もっと人気が出てもいいんじゃないかと思っています。
その他、以前から聴いたことがあり、今年のアルバムもよかったというバンドを挙げると、まずPalisadesは前作"Mind Games"で知り、えらいアゲアゲ(死語)やなあと思っていたら、今作"Palisades"はより洗練されているというのか、落ち着いているというのか、少し雰囲気が違っていました。リリース時期の問題もありますが、聴いた回数でいくと上位に入っています。Mastodonの"Emperor of Sand"も非常にいいアルバムで、今年のベストアルバムの1つと言ってもいいかと思いますが、以前に少し書いたのでそちらに譲ります。Miss May IはAs I Lay Dying亡き後、好きなメタルコアバンドの1つですが、Apple Musicの無料期間で聴いていたら無料期間がすぐ終わってしまったので(当たり前)、あまり聴けていません。買えよという話ですがw 他方、Oceans Ate Alaskaの"Hikari"は、彼らの作品の中ではじめて聴いたものでしたが、大変よいアルバムでした。先行公開されていた"Escapist"は曲でいくとベストソングの1つと言っていいかと思います。
今年のベストアルバム(ベスト・オブ・ザ・ベスト)はなにかなと考えたとき、結局、個人的にはTriviumとArch Enemyがアルバムを出したらどっちかがベストになるんだよなあという感じなんですよね。その中でもどっちかといえば、やっぱりTriviumですかね。声が戻りつつある印象のあった昨今のキイチくんですが、今作"The Sin and the Sentence"ではスクリームが戻ってきたということで、好評のようです(私は彼のクリーンはかなり好きなのでクリーンだけでもあまり困りませんが)。
August Burns Redは、Mastodonとともに第60回グラミー賞のBest Metal Performanceにノミネートされていますが、今作"Phantom Anthem"は私にはあまり刺さりませんでした。Born of Osirisも好きなバンドの1つですが、今年出た"The Eternal Reign"はなぜかあまり聴きませんでした。前作の"The Louder the Sound, the More We All Believe"のようにわかりやすく刺さる曲があればハマっていくんでしょうけれども。好きなバンドと言えば、あらゆるバンドの中で最も好きと言ってもいいAt the Drive-Inが復活、アルバムをリリースし来日もしましたが、こちらも結局あまり聴いていません。思い出は思い出のままでいいということかもしれません。デビューアルバムが非常によかった期待のメタルコアバンドWage Warの新譜も、これまたあまり聴きませんでした。そんなんばっかりやなという感じですが、リリース時期が結構かぶっていたので、たぶんこの時期はOceans Ate Alaskaばかり聴いていました。
大阪出身のNo Limited Spiralはイタリアのレーベルと契約し、セカンドアルバムをリリース。一度ライブを見たことがあり、気に入ってCDも買っていたので、嬉しいニュースでした。オーストラリアからはMake Them SufferとNe Obliviscarisが新譜をリリース。後者はリリースに気づいて購入したのが最近だったので、まだあまり聴けていません。前者は、前作の路線そのままに彼ららしさがよく出たアルバムだったと思います。
これだけチェックするバンドが多くなる(そして1つ1つはあまり聴かなくなる)のは、冒頭に書いたとおり、SpotifyやYouTubeのおかげ(せい)だと思いますが、新たに知るバンドもかなり増えました。すべて挙げるとキリがないので、目(耳)に留まったものだけ挙げていくと、Disperse、Within the Ruins、Desolace、The Raven Age、The Royal、All But One、Life Awaits、Shattered Sun、Thousand Belowといったあたりです。この中には新人も新人でないバンドも含まれていますが、DisperseとDesolaceは系統の異なるプログレメタルバンド、The Raven AgeとThousand Belowは主に歌ものと括ってよいでしょう。Disperseはポーランドのバンドですが、ポーランドのバンドってはじめて聴きました。The Raven Ageは、Iron Maidenのスティーブ・ハリスの息子がギターを務めているバンドです。Within the RuinsやShattered Sunはアグレッシブなメタルコアでかっこいいです。前にも少し書いたと思いますが、Within the Ruinsの"Objective Reality"もまた今年のベストソングの1つと思っています。ギターのアグレッシブさもいいですが、サビのフレーズが頭の中を駆けめぐります。
という感じで、音楽的な解説のようなことはまったくしていません(できません)が、振り返ってみました。来年もよい音楽と出会えるといいですが、もうちょっとちゃんと聴くことにしよう。。。